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両極端

090711soba.jpg

ここのところ急激に蒸し暑くなってきたのは梅雨前線が北上してきた所為だろう。いよいよ梅雨の後半、夏の足音がすぐそこまで迫っている。

北陸の渓は、梅雨の後半は雨の増水、夏になると今度はカラカラに渇水して、さらにブヨ・アブの大発生があり、とても釣りなどできる状態ではなくなる。おそらく今週あたりが夏前にまともに釣りできる最終だろう、とヤマを張って、先々週に引き続き出撃してきた。

といっても、相変わらずバタバタな日々で、慢性的な寝不足。前回のように無理して行くとコケたりハマったりとロクなことがない。ということで同行者一同(といっても3人だけどw)、昼は福井で美味いソバを食べて、のんびりペースで夕方の釣りだけをしに行こう、と相成った。

いつもは秋に来ることが多く、この時季にはほぼ初めてではないだろうか。数年前までメニューにあった「まいたけの天ざる」がとても美味しくて、今はメニュー外なのだけど頼んでやってもらう。それが上の写真だ。ソバはやっぱり大盛り♪
まいたけは福井の名産らしく、大ぶりで肉厚な、滋味深い味わい。つまり、めちゃくちゃ美味い(´∀`)
朝、京都を出がけに美味しいパン屋さんで調理パンを3つも買って食べているので、昼のこのソバでお腹いっぱいになった。そして眠い・・・(笑
眠気醒ましに、先輩方2人の酒漁りの散策に付き合うことにする。

地酒の造り酒屋小さな、しかし歴史と風格のある佇まいの造り酒屋。
ここは越前の小京都とも言われる古い街並の残る城下町。
非常に居心地のいい街だ。
いつか山の手に住むなら、こういうところに住みたい。
伏流水の湧き出しこのあたりは豪雪地帯で、ボクらがよく行く渓の水が伏流水となって
年間を通じてこうして湧き出ている。
触れてみるととても冷たい。
酒を美味しくする、魔法の水だ。

天気予報は雨だったのだけど、たまにポツポツとくる感じでまとまった雨には当たらなかった。渓の水位は、前日までの雨の影響か、やや多め。しかし濁りは取れていて、ちょうど落ち着きはじめたところという感じだった。
午後から少し肩ならしをして、いよいよ本番は午後5時を回り夕方の気配が渓谷に広がるころ。期待しながら釣りを始める。
と、早速にイワナが豪快に出た。いいサイズ。

さらに少し光量が落ちてきたところで、続けてイワナとアマゴ。どちらも、ひったくるように毛鉤をくわえる。すごく怒っているような感じがした。そういえばこの渓のイワナは、ましてこの時季には、真っ暗になる直前しか出てこないのが常だ。それが、まだこんなに明るさの残る時間帯に、こんな風に出てくるなんてことは滅多にない。

一体どうしたのだろう、と思いながら、夕マヅメの時間を迎えた。前回のスーパーハッチの記憶が頭をよぎり、ジャイアント・ストーンのハッチ、あるいはまた別のハッチが今に始まるかと期待に胸躍るのだけど、一向にムシの飛ぶ気配がない。暗くなるに従って、サカナの反応も鈍くなってくる。
そしてなんと・・・そのまま終わってしまった。
奮い立つような昂りも感動も、なにもなく。
残ったのは、さきほど明るいうちに釣った渓魚たちの、怒ったような目の印象だけだった。

夕マヅメのイワナ明るいうち、最初に釣ったイワナ。
写真ではくりくりの目に写っているけど・・・
その出方や、釣れてからの落ち着かない反抗的な態度には少し驚いた。
どんなに反抗的なヤツだって、いつもはもう少しうまく写真に収められるように大人しくさせられるんだがなぁ。
少し調子が狂ってるのかなぁ、と自戒する。
夕マヅメのイワナところが、こいつに至ってはすさまじく怒っている。
横殴りに毛鉤をくわえたかと思うと、暴れ回り飛び上がる。
写真を撮ろうと横たえてもまったく落ち着かない。
釣ってからもとにかく動き回る。
ボケボケの写真で非常に恥ずかしい限りだけど
こうして見てもらえばその暴れっぷりもご理解いただけるかと思い、載せてみた。

夕マヅメのイワナ次に出たアマゴも怒っている。
体色がかなり濃い個体で、これは長い時間岩の下などに身を潜めている
=つまり用心深い性格の個体、ということになる。
そういうのが明るいうちに瀬の流芯でバッサリと毛鉤を食うなんてことも、滅多にないことだ。
夕マヅメのイワナ最後に出た大きめのイワナ。
尺には少し届かないが、それでも十分満足できる大きさとコンディションだ。
しかし、こういうのがまだ光の残る(フラッシュを焚かなくても撮れる)時間に出ることは
春先の一時期を除いてほとんどないのだ。

つまり、こういうことかと推測する・・・
渓魚たちは、水生昆虫の羽化の端境期と雨の増水とが重なって、この数日、ロクに餌を捕れなかったのではなかろうかと。要するに空腹で怒っていたのだ。
耐えきれなくて、いつもの用心深さをかなぐり捨て、早い時間から瀬に出張ってきていたに違いない。

そう考えると、今日の渓の状況やサカナの様子に合点がいく。
渓魚の魚体は相変わらず分厚くて筋肉質ないいコンディションだったけど、腹がいつものようにパンパンには膨らんでいなかった。飽食して夕マヅメの一番いいときにしか出てこないのとは大違い。よほど空腹だったのだろう。

片や、美味いパンやらソバやらでお腹いっぱいで苦しみながら釣りするヒト。
サオとイトで繋がる、両極端。

あまりに見事な、そして皮肉な対比に少し笑いながら、真っ暗な道を独りで歩いてクルマに戻った。
さて、ずっと上流の夕マヅメポイントで粘る先輩方2人を拾いに行かなければ。
あっちはどうだったかな。

 
 


Comments:15

小雅 09-07-11 (土) 11:53

そうすかぁ・・・もう夏やねぇ。
もう一日二日したら祇園さんのお囃子も始まるもんな。
年いってからこの季節、時間の流れが妙に速く感じるね。

たぁこ 09-07-11 (土) 13:43

わたくし、釣りのことはよぉわかりませんが
なんか最近調子よさそうですね。
いい感じです♪
福井まで、そのおいしそうなおそばは食べに行けないので
京都のおいしいパン屋さんとやらを教えてくださいまし。

みやび 09-07-11 (土) 22:51

「“釣り”とは糸の一方に魚が、もう一方に××者が付いている状態を言う」という言葉はどこのどなたが言ったものか忘れてしまいましたが、今回のエントリーを読んでふと思い出しました。
いえ、107さんが××者だとか言う事じゃなくて…
いやしかし釣り好きなんてのは皆××者なのかも知れませんが。

107 09-07-12 (日) 2:02

あと一回、行けるなら、梅雨の終わり、増水がひいた直後、一発勝負。
運次第の当てモンみたいな釣りになるだろな。
年いってるのかい?
ボクはまだまだ若いぜ!(´∀`)
(でも確かに、飛ぶように時が流れていくね・・・)

107 09-07-12 (日) 2:03

調子、いいんだか悪いんだかってな感じですよ〜
そろそろ春の釣りも打ち止めです。
夏はビールで涼むとしますかね ( ´ー`)
パン屋さんは、白川通、錦林車庫のあたり、山田パンです。
大海老サンドの名前と見てくれにヤラレましたw

107 09-07-12 (日) 2:05

隠さなくっても、「バカ」とお書きいただければよろしゅうございます(笑
そう、その言葉を思いながら書いた文ですので・・・
みやびさんビンゴ!です(*・∀・)
でも確かにボクなんぞ、自分で大××だと思っています。。
もちろん、みなさんにもそうであってほしいとw

オードリー 09-07-12 (日) 6:43

3人一緒に行ったからと言って、同じポイントで釣るわけではないのですね?
しかし、満腹な人間とお腹をすかせた魚達。。。う〜ん^^。
魚達の喜怒哀楽を感じながら釣りができるというのも、魚達に敬意を払っている証拠ですね^^。
私も離島に住んでいる時には、『夕飯!』といって、おおいに「いただきます!」と前向きに釣りを楽しみにしましたよ。。。たまに、釣った夕飯をウツボに横取りされたりもしました。。。^^。
そんな、追憶を引き出される記事です。
おまけに相変わらず、美味しそうな日本蕎麦!
沖縄の夏は「冷やしそうめん」がメイン。今度の夏休みはどこかの日本蕎麦屋さんに行ってみようかな^^。

107 09-07-13 (月) 1:45

渓流の釣りは独りですることがほとんどなんです。
特にこの日は、最初から最後までずっと独りでした。
オードリーさん、以前は海鮮モノを食されてたのですね?
どうして・・・とは訊かないでおきます^^
横取りしたウツボを釣りあげるのは至難のワザでしょうか・・・^m^
夏はそうめんですね〜〜!家で食べるならコレです。
外に食べに出るなら、冷たいおソバ。
そんな感じです。
ぜひお食べくださいね!^^

メディック 09-07-13 (月) 17:44

相変わらずそれなりの毎日を送っています。
まぁ、それで充分なのですが!
人間贅沢を言ってはいけません
お腹がいっぱいであろうと、空腹であろうと
雨が降ろうと、槍が降ろうと、自然のままに!
まぁ、私のように悟りを開いてしまうと
常に無の境地であらゆる・・・
お腹空いたし帰ります・・・。

ぴよこ 09-07-13 (月) 23:17

肉厚の舞茸天ぷらとお蕎麦 美味しそうですね^^
こんな時間なのにお腹が空いてきちゃいました(^^ゞ
そっか・・・これからの時期、渓谷は虫が沢山出てきますね><
今現在も小さな虫がしつこく目の前を飛ぶので虫除けリングで
なんとか凌いでいますが、もっとすごくなるんでしょうね><
と、こちらの渓谷水嵩がどんどん下がってきています。
釣りの人たち、渓谷からダム湖側へ移動しちゃいました。
とりとりには影響ないと思うんですけど、昨日はヤマセミに遇えませんでしたぁ(T_T)

ぴよこ 09-07-14 (火) 7:21

P.S…すいません^^
とりとりに影響ないと思う・・・というのは、水嵩が下がった事がです(^◇^)

107 09-07-14 (火) 13:07

ここのまいたけの天ぷらはホント抜群なんですよ♪
目の廻りをしつこく飛ぶアレ、とてもウザいです!(笑
こっちの山では主にブヨやヌカカなどの吸血系の羽虫がまとわりついてきて、普通の「メマトイ」だと思って油断してると噛まれてエラいメに遭います。そちらの山にもヌカカが多いと聞きます。これから大発生の季節になりますので、お気をつけくださいね^^
早くも渇水ですか・・・今年の梅雨は雨が少なかったですね。
でも、釣り人が減るとヤマセミくんに逢える可能性は高まりそうではありませんか(釣りが自然に与えるインパクトは少なくないので・・・動物たちには嫌われているかも orz)
ヤマセミはこっちでもそう頻繁に見ることはできませんので、拝見させていただくのを楽しみにしています (゚∀゚)
丁寧なコメントをいただき、有難うございます♪

107 09-07-14 (火) 13:12

山にいると、街にいるより遥かに自然のままになれます。
槍が降るとエラいことになりますので、ボクなら一目散に避難しますけど( ´,_ゝ`)
メディックさんなら平気かな?w
ボクも腹減りました。
お昼にしますww

noobooboo 09-07-14 (火) 20:55

最近私が野歩きに連れ回すので、主人の足にブヨのような虫さされができてしまいました。(私は半ズボンとかで歩いているのに被害なしw)やっぱり気をつけて歩かないといけませんね。
同行の方との連絡は携帯が通じるのですか?
だいたい行き先を告げていくとか?
一人で薄暗い夕暮れに釣りって怖そう。
だって熊とかいそうですけど、それは平気ですか?
質問だらけになりましたが、実は最近この辺で熊の目撃情報があったらしく(普通はいないんです)ちょっとびびっています(笑

107 09-07-15 (水) 0:41

この時季はどこも吸血系の羽虫が大発生しますので、森に入られる時は決して!半ズボンでは行かないでください〜〜被害なしはたまたまですよ!(あるいはご主人がO型の汗かきとか・・・いわゆる「人柱」ww)
いやそれでもやっぱり、森には長袖・長ズボンで!ですよ (*ー_ー)
さて、たくさんのご質問をいただきましたね^^
山の中ですから、もちろん携帯は通じません。「だいたいあの辺で」みたいな漠然とした口約束だけで、時間もハッキリとは決めないんです(そもそもボクは時計持って入らないw)。よく釣れると遅くなりますし、釣れないと場所を移動する可能性がありますので、そこは神通力みたいなもんで、長年一緒にやってるとだいたい読めます(笑
先日は、真っ暗になりゆく渓を独りで釣り上がりました。だんだん暗くなっていくので目が慣れるというか、暗闇でもライトなしで分かるものです。もちろん、初めてやる人はたいていビビりますけど・・・ライト付けた方が、目が潰れてしまって見通しが効かないので、逆に危ないように思っています。ときどき、変な気配やイヤな風が吹くときがあって、そういうときは背筋が寒くなって足早になります。怖いですよぉ〜〜〜(笑
ところでクマ!ですが。
nooboobooさんお住いのあたりだとブラック・ベア(アメリカクロクマ)だと思うのですが、こっちで言うツキノワグマの親戚みたいなもんで、基本的には平和で大人しいクマだと聞きます。それでも、出会い頭の遭遇だと何が起こるか分かりませんので、くれぐれも単独の森歩きはお気をつけくださいね。決して、落とし物の白い貝殻の小さなイヤリングを届けには来てくれませんから!(笑
(でもホントに笑いごっちゃないんですけどね・・・)

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[…] 先日の北陸釣行の折、越前蕎麦を堪能してきた。 いつもの店とは別の、以前から行ってみたかった店。そこはお昼の3時間ほどしか開いていなくて、しかも打った蕎麦がなくなり次第 […]

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