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サツキマスとスーパーハッチ

090626iwana1.jpg

とにかく目の回るようなこの1ヶ月だった。ギュウ詰めの仕事、PCの不調(これについては後日改めて)、子供の習い事等々、休む間もなく朝から夜中まで働き続け、動き続け。二週前に一度、どうにもこうにも息が詰まりそうになって釣りに出かけたものの、渇水であまり状態の良くない渓に気が散って集中力はなくなり従って目の覚めるような釣果にも恵まれず(サカナはちゃんと釣れたのだけどね)。

そして、今週になってようやく先が見えてきたところに、週頭に恵みの雨である。

ボクの行きつけのこの渓は下流に大きなダム湖があって、そこを海に見たてて降りて大きくなる降湖型のイワナ(アメマス)やヤマメ(サクラマス)、アマゴ(サツキマス)が、ひと昔前までは少なくなかった。梅雨や秋雨の増水後の夕マヅメには、尺を遥かに超える大型の個体が狙って釣れたものだ。しかしいつの頃からか、工事の車輌が蹂躙し始め、川床を重機でひっくり返して護岸をコンクリートで固め、それが何年も続けられていくうちに、この渓は死んでしまった。溯上の大型個体をほとんど見かけなくなり、釣れるのは中〜小型の居着きのみで、年々型が小さくなり数がぐっと減ってしまったのだ。

ようやく復活したのはほんの数年前のこと。やっと工事がひと段落したのか、重機が川に入って荒らす光景を見なくなり、上っ面だけ整えられた護岸や堰堤が、この暴れ川の水の威力で崩れはじめて、水生昆虫とサカナの居場所が戻ってきたのだろう。釣れなくなる以前よりひと回り大きなサカナが釣れるようになってきて、ここ数年は尺を超える大型も数が増えてきたようだ。
それでも、昔のように降湖型のイワナやアマゴを見かけることはなかった。もう諦めていたと言ってもいい。

オスのサツキマス尖った鼻ヅラには牙もある。肩は厚く盛り上がり、筋肉質な精悍なスタイルのオスのアマゴ。
いや、もうパーマークもほとんど判別できないほどになっているから「サツキマス」と呼んでやるのが正解かもしれない。
マットシルバーに鈍く輝くこの魚体を見たとき、うれしさとともに、
この渓で釣りを覚えた様々の、古き佳き日の記憶が甦ってきたんだ。

それが、昨日、釣れた。
この渓で見たのは何年ぶりのことになるだろうか。
10年にもなるかもしれない。
この姿を。(クリックで拡大→)

太陽が山の陰に隠れるか否かの、夕マヅメというには少し早い時間の出来ごとだった。

これだけでもう満足してしまって、後は同行者の釣りを余裕で眺める・・・という筈だったのが、夕マヅメに小物釣りで遊ぼうと思って選んだポイントで泣尺を含む良型イワナの予想外の大爆釣。
折しもジャイアント・ストーン・・・大型のオオヤマカワゲラ(どんなムシかは暗くて写真が撮れなかったのでこちらをご参照あれ)という水生昆虫のスーパーハッチの時季に当たり、渓のあちこちからボコボコを音を立てて羽化してくる馬鹿デカいストーンフライに水の中が一気に沸き立つような感じとなり、目の前で大きなイワナが魚体を水面に翻して一心不乱に捕食する。

立っているだけで顔に虫がバチバチ当たってくるようなすごい量のハッチだった。ふと上空を見上げると、羽化したストーンフライが群れをなし上流を目指して飛んで行く。感心して見上げていたらガボッというすごい捕食の音で、我に返ってまた釣りをする。

夕マヅメのイワナ今年のこの渓のサカナはみな大きくて太い。
しかしメタボな太さではなく強い流れに鍛えられた筋肉質な魚体で、釣り上げる時の抵抗はものすごく、釣ってもなお怒り狂って暴れる。

多分、今日だけ・・・
一年のうちでこんな日は、きっと。
そして、次に出会うのはまた何年か先、
あるいはもっと・・・

そんな日の釣りだった。



夕マヅメのイワナサムネイルはフラッシュで撮ったもの。
夕マヅメの臨場感が出ればいいなと、ノーフラッシュのものをアップしてみた。
ほとんどモノクロとなって粗い出来となってしまったけど、雰囲気はこんな感じだ。
夕マヅメのイワナ今日の夕マヅメはなんでこんなに暗いんだろうと夜空を見上げてみれば、ちょうど新月後一日。
いわゆる「大潮の日は大漁」なんていう海の釣りの定説を渓の釣りに持ち込む気はないが
あながち無関係でもないのかもしれないと思う。

 


Comments:12

みやび 09-06-26 (金) 23:53

私がよく行く尻別川も、コンクリートの構造物で流れが寸断され、河畔林の伐採や護岸工事、流れの直線化などが行われていますが、それらの自然破壊が行われた場所も数年経てば川岸に柳の木が繁茂し、護岸は苔に覆われ、ブロックの陰が岩魚や虹鱒の付き場になって良いポイントになっていたりします。
上流に森林が残っていれば、案外と渓魚は逞しく生き抜いていくものなのでしょうか。
それにしても、マッチョな魚達…

小雅 09-06-27 (土) 0:29

今ぎゅうぎゅう詰めなんで、何だか非常に気持ちがわかってちょい泣けました。
下手は下手なりにの渓の空気に抱かれている感じをちょっと思い出しまして。。。
夕まずめでもうフライが見えなくたって満足感とちょっとした敗北感があって…
懐かしくも新しい面々に会えて本当にヨカッタね。

noobooboo 09-06-27 (土) 14:14

最後の魚の写真は拡大してびっくりです。
こんなに暗くなるまで釣りをしているのですか?
夜になると山の中は怖そうです。
足下にも気をつけて帰ってくださいね。
最近、鳥図鑑を開くことが多いのですが、
似た子がおおくて難しいこともありますが・・・
笑・・
こちらでは種類は限定!で気持ちがいいですね。
ほかに魚もいるんですよね?
ちょっと素朴な疑問です。

107 09-06-27 (土) 21:01

懐かしや、尻別川・・・(´Д`)
そうでした、上流部で一週間ほど釣りしたんですが、「あのテトラの隙間でライズするあのデカいのを!」と意気込んで出かけていたのを思い出しました。
そこに至る破壊の過程はどうにも見過ごすことはできないのですけど・・・流れに揉まれてヤレた人工物は、サカナにとっては天然の障害物と変わりないのかもしれませんね。
有難うございます、いいサカナたちでした^^

107 09-06-27 (土) 21:04

そっか、キミもギュウ詰めなのか・・・
ボクら自営にとって仕事はあってナンボ、ありがたやだから大きな声では言えないけど、
選りに選ってなにもこの時季に・・・って気持ち。。
分かるよ(涙
夏までにもう一度。
行けるかな。
行こうや!!

107 09-06-27 (土) 21:12

そうなんです、真っ暗になるまで釣りしてました。ライトを点けてしまうと目が潰れてしまいますが、点けないで渓の畔にいると、目は冴え冴えと見通すことができます。かつて太古の人類がそうであったように・・・という感じなんですよ。
サカナの種類は、上流部まで来るとかなり少なくなります。
外道として、ウグイとかカワムツとかのコイ科のサカナはいますけど、どうにも美しくないヤツらなんです(笑
そうだ、noooboobooさんの真似して鳥撮りに挑戦してみましたが・・・
近寄るとさっと逃げるし、かといって離れてみると画面には豆粒のように小さくしか写りません。コンデジではなんとも難しいもんでした orz

メディック 09-06-28 (日) 1:52

こちらをご参照みたらエイリアンの雌がいた。
真っ暗になるまで釣りですか、
自然と一体化するのもいいもので♪
私は最近闇にまぎれています
全然自然じゃ無いです ^^
でも、それもまたよし!

piro55 09-06-28 (日) 16:58

こんにちは!
素敵なリフレッシュ時間でしたね。
自然って繊細で力強いものだと感じました。
107様の愛する渓流に戻って行ってくれるといいですね。
しかし、オオヤマカワゲラのスーパーハッチ。
すごい光景だったでしょうね!
ちょっと怖いけど、神秘的だったに違いない。。。
ん?、おさかなって、セクシー。

107 09-06-29 (月) 1:58

夕マヅメ、「逢魔が刻」の釣りはなかなかにスリリングですぜ!
このジャイアント・ストーンの季節が過ぎると、今度はヘビトンボという虫の出番になります。こいつはもっとすごいご面相で、さらに巨大です。ナウシカに出てくる腐海の蟲にソックリ(笑
ボクも妖怪人間の仲間に入りたい〜w

107 09-06-29 (月) 2:02

こんにちはpiro55さん!
久しぶりにいい時間を過ごしました^^
オオヤマカワゲラは水の綺麗な渓の上流部にしかいない虫で、街ではなかなかこの光景は見れないです。でもきっとpiro55さんの故郷ならたくさん見れるかも。機会があればぜひご覧になってくださいね^^
おサカナちゃん、とくにマス科のはセクスィです。アマゴのきゅっとくびれたプロポーションとか、イワナのてらてら光る丸いボディとか・・・
イカン、あんまり言うとヘンタイになっちゃう!(*´∀`)

JIMO 09-07-01 (水) 22:33

いや?! この記事、見落としてました。
この爆釣はギュウギュウと仕事をしていたから釣りの神様からの贈り物でしょう。
私は・・・まだ肘痛が治りません。。。

107 09-07-02 (木) 1:14

ギュウ詰めの仕事の後はこれくらいのご褒美があってもいいですよね!^^
久しぶりの、ジャイアントストーンのスーパーハッチとの邂逅でした。
肘、長いですね!
お大事にです (´ー`)

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[…] この春にサツキマスの予兆を感じたときの願いが成就し、目の前にそれを見せてくれたひととき・・・ この自然に、その強さに、感謝。 […]

pingback from 107@BLOG · 両極端 10-07-07 (水) 22:27

[…] にブヨ・アブの大発生があり、とても釣りなどできる状態ではなくなる。おそらく今週あたりが夏前にまともに釣りできる最終だろう、とヤマを張って、先々週に引き続き出撃してきた。 […]

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