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幕末の志士たち

幕末の志士たち?薩長土肥に幕府側と、このメンツが一堂に会していると!ありえるのかw!?

この週末に飲みに出た烏丸あたりの居酒屋の奥の壁に掛けられていた、このものすごい写真に吸い込まれた。

写真はクリックで大きくなるのでご確認いただけたらと思うが、幕末の志士たちの写真だなと見て、目を凝らしてそれぞれの人物に比定されている名前を読んでぶっ飛んだのだ。
なにしろ、西郷隆盛、大久保利通、桂小五郎(後の木戸孝允)ら「維新の三傑」に加え、坂本龍馬、岩倉具視、高杉晋作、小松帯刀、勝海舟、大隈重信、伊藤博文などなど、それはもう錚々たる名前がズラリと並んでいるのだから。

↓冗長になる上に歴史に興味のない方には退屈だろうから、お好きな方だけどぞ

とにかく第一印象は、驚きとともに半笑いで「あり得んだろう」だった。
まず、西郷隆盛は写真が残っていない筈だ。死後に肖像画や塑像を作るのにそれが大きな障害となったのはつとに知られた話しだし、そもそもこれが撮られたとされる慶応元年にはすでに西郷は肥満していたという当時の僚友の証言があることから、この写真のようにほお骨が出るほど痩せこけているというのは考えにくいことなのだ。それに、その隣に写る大久保利通の顔に至ってはいかにも田舎の青年侍という間延びした風貌が、論外と言わざるを得ないほど似ていない。

そうして疑いはじめつつ色々見てみると、岩倉具視も五百円札の風貌とはかなり違っているし(もちろん年代が違うのだけど)、坂本龍馬もなんだかおかしい。桂小五郎はもっと色男な美男子だった筈だし、勝海舟は似てるといえば似てないこともないけどやはり間延びしてどこか鋭さに欠けるように見える。

第一、幕府方(勝)に薩摩、長州、土佐、肥前の各雄藩の志士、それに公卿とこれだけのメンツが集まっているとなると、幕末の歴史好きなボクとしては何処かでこの会合の客観的な資料を目にしてる筈なのに、そういうのはかつて見たことも聞いたこともない。
首を傾げながらその日は明け方まで飲んで(笑)、翌日、二日酔いに苦しみながらいろいろと調べてみたのだった。

そうするとこの写真は「フルベッキ写真」といって、そのスジにはかなり有名なシロモノだということが分かった。
詳しくはこちらのページ(http://www.nextftp.com/tamailab/verbeck.htm)にその真贋も含めて精細な検証がなされているからご参照いただくとして、驚いたのは真ん中あたりにいる「大室寅之佑」が明治天皇だという話しがあるというのだった。その信奉者の御説によると、南朝の末裔である大室某は長州にかくまわれていて、維新後のドサクサにまぎれて明治天皇とすり替えられたというのである(本物は暗殺されたのだと!)。

奇想天外もここまでくるとハナにつく。

そもそも歴史はそのロマンが面白いのだというのならそれはまったくその通りだし、歴史として表に見える部分と見えない部分の狭間を想像するのがその醍醐味であるのはとてもよく理解できる。しかしそれが行き過ぎて荒唐無稽な「こじつけ」の域にまで達してくると一気に興が醒めてしまって眉に唾をつけたくなってしまうものでもあるのだ。個人的にはこういう「妄想」はとても好きなのだけど、それもある程度信用できる客観的な証拠を下敷きにしていなければ想像の翼ははためかない。惜しいが、かなり残念!という結論である。

まあ、刹那、想いが遠く幕末から維新の頃に飛び、志を持つことの意味と意義を考える時間が持てたのだから、それもこの写真の効用というべきなのかもしれない。

そういえば、西郷隆盛で思い出したのだけど、子どものころによく祖母や母から聞かされたわらべ歌のようなものがあった。うろ覚えだけど記しておこう。

♪1かけ2かけ3かけて 4かけ5かけで橋をかけ
 橋の欄干腰をかけ 遥か向こうを眺めれば
 17,8のねえさんが 片手に線香、花を持ち

 ねえさんねえさん、どこ行くの
 私は九州鹿児島の 西郷隆盛娘です

 明治10年3月3日 切腹なされた父親の お墓参りに参ります
 お墓の前では手を合わせ ナンマイダブツと目に涙

 もしも私が男なら 平安学校卒業して
 アメリカ語を習います

あと、忘れた(笑
調べてみると、これもいろいろと地域変異があるようで面白いものである↓
http://www.mahoroba.ne.jp/~gonbe007/hog/shouka/ichikakenikakete.html

維新の三傑は、一番長く生きた大久保でも明治11年(1878年)までで、いずれも早逝してしまい、3人が目指した、欧米列強と対等に対峙できるアジア共同体の民主国家の夢は潰えてしまった。後に残ったのは、山縣有朋のような汚職まみれのチンピラもどきが作り上げた、利権官僚国家である。

西郷さんがもう少し永く生きていたら。
悲しいかな、歴史に「もし」はないのだけど。


Comments:9

榮の間 08-07-28 (月) 7:53

ホントですね…
ウチはダンナが長州出身者なので、尾張出身のワタシと、明治維新で夫婦喧嘩になります…。歴史にもしはありませんが…。もし坂本龍馬が暗殺されなかったら、関ヶ原で徳川が負けていたら…本能寺で信長が死んでいなかったら、、等々、時々、妄想してしまいます。

メディック 08-07-28 (月) 17:28

よかった フルボッコじゃなくって
しかしまぁ 奇妙なものを!
幕末は新撰組を少しかじったくらいであまり詳しくありません。
ちなみに、その新撰組占いでは わたくし 「芹沢 鴨」
不屈のファイターとなっております。
ですが、豪快さの裏側には、意外なほどの繊細さが隠されています とも
当たってますよね、ガラスの心臓と例えられるくらい繊細だし
壊れやすいんですよ・・・ 実は!

すとらいかぁ 08-07-28 (月) 21:40

楽しすぎるww 興味津々w
当時の微妙な場所 長崎でこんな面子が揃うなんて、私は是非とも信じたいですね。
なんとも微妙な明治政府の閣僚勢ぞろいw 
幕末の志士も勢ぞろい。 明星や平凡の表紙より豪華メンバーですよね。
勝海舟がそこに居るのも信じたいし、 陸奥宗光なんて何人の人が知ってるの?ってあたりまで網羅されてるし。。
これが現実だったと信じます。今後、幕末関係の小説を読むときには必ずこの写真を思い出すことになるでしょうね。   ワクワクw

みどり 08-07-28 (月) 22:17

こんばんは
こんばんは。
こういう写真をフルベッキと言うんですか?
初めて知りました。
面白いものですね〜。
実は、ウチの娘のまわりでは、なぜか空前の幕末ブームなんです。マンガの影響かしら。
娘と友だちが、まるでクラスメイトのことを話すみたいに「歳さんは」とか「高杉が」と話しているのは、なかなか面白いものです。
この写真、きっと面白がると思います。
あした、教えてあげようっと。

107 08-07-29 (火) 2:37

△ 榮の間さん
をを・・・それはそれは。よりによって長州征伐の因縁の(笑
いや、笑いごとではありませんね(^ ^;
歴史の「もし・・・」を考えることは、すごく楽しいですよね。
おっしゃるように、本能寺で信長が死んでいなかったら・・なんて最高のロマンです。
中世から近世の歴史が随分違ったでしょうね^^

△ メディックさん
いやいや、このテの写真を持ち出してきてやれ明治天皇がニセモノだとか戯言を本気でヌかす不逞の輩どもを、荒くれ者の芹沢鴨さんにフルボッコにしてもらいたいもんです、ハイ。
新撰組占いはu-makerのでしょうか。
試しにやってみたら、ボクは沖田総司でした。
・・・ごめん!
どびしっっ(`∀´) 甲/鳥
みなさまもよければどぞ♪
http://u-maker.com/25751.html

△ すとらいかぁさん
楽しゅうございましょ^^
すとらいかぁさんはロマンチストですなぁ。
ボクなどヘソ曲がりの屁理屈垂れですから、あまりに壮大な法螺的ロマンにはついていけないことも多いのですよ。
この写真、すべてがニセモノでもなくて、岩倉兄弟(具視の次・三男)なんかはホンモノのようです。
・・・でもやっぱ、この大久保だけは許せんのですが(笑

△ みどりさん
フルベッキというのは真ん中の外国人の名前で、宣教師とのことです。
近頃のマンガにはぜんぜん詳しくないのですが、なにか幕末モノでもやってるのでしょうか。
NHKの篤姫なら毎週欠かさず視てるんですが・・・
梅雀さんの井伊掃部頭がサイコーです。
娘さんのお気に召したらとてもうれしいですよ^^

noobooboo 08-07-29 (火) 9:06

本当ならすごい写真ですよね!
若くして志を持って国を想う..幕末の世でこそできたことでしょうか。
でも、、男色が多かったって聞いたことがあって…
そんな目で写真を見てしまいました(^^;

107 08-07-29 (火) 17:58

△ noobooboo さん
本当ならそれはもう!
それほどに、幕末の世は閉塞しきっていたということでしょうか・・・
閉塞具合では今の世もさほど変わんないと思うんですが、若者たちにとって目を背けて生きる逃げ道もまた多くあるということなのかなと思います。
ジョン・レノンがストロベリー・フィールドで泣いています、きっと。
Living easy with eyes closed misunderstanding all you see…
> 男色
そうきますか!(笑
そうすると沖田なんかヤバす・・・
いやん♪

硫黄島の砂浜 08-07-30 (水) 20:44

笑った
大久保さんが偽者だって?
この写真のほほの髭(もみ上げ)なんて晩年の大久保利通そのものじゃないですか。
彼が若いときからほほ髭(もみ上げ)に拘っていたんだなぁ と感慨深くて楽しくなりますよ。
写真が残っている歴史って愉しいですよね。写真がホントで記録や書物が間違っていたら? 
と想像してアブサンを片手に妄想の中に、・・・・

107 08-07-31 (木) 0:00

△ 硫黄島の砂浜さん
ふ、ふくちょお!
薩摩の不忠者を擁護なされますか!?
しかもアブサンなどという毛唐の酒を飲んでそんなに酔っぱらって・・・
目なんかあっちとこっちに開いてるし・・・
ネギ握りしめてるし・・・
会津侯にどう申し開きすれば、が、がほげほぐほげほ・・・
かはぁっ(喀血
ぱた orz
・・・あ、人違いでしたっけ?
すみません ^ ^;

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