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山陰の秋ヤマメ

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秋の空は高く、遠くの山々から流れ出すこの渓の水と同じく、澄み切って気持ちいいことこの上ない。乾いた空気に、痺れるほどの冷たい水。きれいな砂と丸く磨き抜かれた底石が理想的な配置でポイントをなす、高地に特有の穏やかな渓相の川に釣りに行ってきた。

所は、鳥取は大山。南側の蒜山に連なる一帯の高原を流れる名渓で、前回同様、またもIさんにお世話になる。穏やかな渓相とはいえ水量は豊富で、流れる水の圧力は強く、重い。そんな渓の冷たい水に育まれたヤマメもまた強く、筋肉質で抜群のコンディションである。

この渓は両岸にアシが迫っていて浅い河原がなく、川通しの溯行となる。前述したように流れは重く、常に膝下から腰まで水に浸かって、流れる水の重みに耐え、上流へと釣り上がっていく。一日そんな釣りをしていたら、夕方になって両足のアキレス腱がつってしまった。ボクのアキレス腱には子供のころに剣道で痛めた腱疲労の古傷があり、疲労が蓄積すると今でも時々再発するのだ。最後には一歩進むごとに腱が痙攣し、よちよち歩きしかできなくなって、夕マヅメに広いランの流れ込みでライズがあるのにキャスティングで足の踏ん張りが利かない。これはホントに情けなかった。

060926yamame.jpg

写真は、強い流れの中から砲弾のように飛び出して毛鉤をひったくっていった、超攻撃的なオスヤマメ。鼻ヅラは鋭角に突き出し、ショッパリのように背中が盛り上がり、体幅もヒレもことごとくぶ厚い。長いラン(深瀬)の流れ込み、ド流芯で出てきた彼は、フッキングと同時にアクロバティックな伸身月面宙返りジャンプを3回連続でかまし、広いランを縦横無尽に走り回り、手元に寄せてからもまだジャンプで抵抗を試みる、不屈の精神力を持っていた。その完璧な姿態には非の打ち所がなく、ほんのりと秋色の化粧を身にまといつつある、とてもとても美しいヤマメ。本州の渓流の釣りは遅いところでも9月末にはすべて禁漁となってしまうので、今年の釣りの最後を締めくくるに相応しい、満足できるサカナだった。

・・・というのはウソで、実は今週にもう一度、今度は北陸に行く予定である。ホントに最後の悪あがき。自分で言うのもなんだが、釣欲の留まるところを知らない釣師というのはガツガツとしていて誠に見苦しいものである。
 


Comments:18

オードリー 06-09-26 (火) 18:17

最後の落ちは良かったです!(笑
釣れた魚さんは食べるのですか?
週末の釣り楽しんで来て下さいね。でも、体調とケがには注意して下さい。体の出す信号にも見ない振りはしないで下さいね。
悪あがきのお話まってます!

Solo 06-09-26 (火) 21:08

こんにちは、これはものすごい体高のやまめですねぇ・・・なかなかお目にかかれませんよ、さすがです。
そういえば禁漁前のラストスパート、すごいものがありますね、こちらもさすがです(笑)

nooboo 06-09-26 (火) 21:10

お魚、とってもキレイですね。
川もキレイ〜。
お魚は釣ったあとに逃がすと聞いたことあるんですが、
107さんもそうですか?
釣行と釣欲・・・・行と欲・・・・
精神的には相反する言葉も、この場合シックリきますね♪
それだけ釣りに魅力があるんですね^^
シーズン中は体にムチ打って楽しんでください。

107 06-09-26 (火) 21:16

△ オードリーさん
くだらないオチにお付き合い、有難うございます(笑
釣れたおサカナさんは、ほとんど食べません。
キャンプやってるとかそういう状況だと、夕食用に一匹だけとかならキープすることもあります。
けれどそういう場合以外は、記念撮影だけして、そのまま逃がしてしまいます。
体へのお気遣い、有難うございます。^^

107 06-09-26 (火) 21:34

△ Solo さん
いいヤマメでしょう(笑
もうね、自己満足の極致です。
有難うございます。
北海道の人には、この禁漁を目の前にした本州の釣り人の気持ち、ご理解いただけるでしょうか。禁漁までまだ数日あります。もう一回、行きますよぉ〜(笑
△ nooboo さん
朝、お早いんですね^^
有難うございます。
きれいなおサカナでしょう〜(笑
ええ、オードリーさんへのレスで書いた通り、逃がします。
「釣り」という行為の究極の目的は、釣ったサカナを食べることではなくて、釣るまでの過程を楽しむことだと考えています。釣りあげたサカナをその後どうするかというのは、「釣り」とはまた別の次元の話、と。
「釣ったサカナは自動的に持って帰る」と無意識に刷り込まれていて釣り環境の悪化にまで思いの及ばないアフォでエゴイスティックなエセ釣師が多く、こういう輩は稚魚まで根こそぎ持っていくので、サカナが多くてよく釣れる良渓がどんどん少なくなって困っています。
昨日はムチ打ちすぎて、痙攣してしまいました。
せめて最後の釣行は余裕を持ってのんびり、やってこようと思います。

ひぐちあきお 06-09-26 (火) 21:50

釣った魚は食べて成仏なんて理屈をいう人がいますけど、仏様になったり、頭に輪か乗っかって天に召されたところを見たことがあるのならともかく、あれは詭弁です(笑)。自分に対するいいわけです。
ぼくもオールリリース派じゃなく、妻と子供のぶんだけは持ち帰りますが、そのぶん漁協さんの放流にはちょっとばかり力添えをしておりますし、尺上に育った魚や釣れたときに強烈な印象を残した魚は、やはり畏敬の念みたいなもので川にそっと戻してあげます。
それにしても、お写真の山女魚の体高にはびっくりですね。
カラフトマスのようなシルエットです。こんな筋肉質だからファイトが凄いんでしょう。
ぼくも29日の金曜日をもって竿収めです。

マロニエのこみち・・・。 06-09-26 (火) 22:24

本当に、不適な面構えですね〜
ご立派です!
『両岸にアシが迫っていて』
107さんがご幼少の砌によく御遊びになられたという
あの池を思い浮かべてしまいますね〜
私もよくボートをこぎました

107 06-09-26 (火) 22:48

△ ひぐちあきおさん
上のレスで、「エゴイスティック」という言葉を使ってしまいましたが、「釣り人同士の間という非常に狭い視野で見れば」という注釈が必要でした。サカナから見れば、釣り人はみなエゴイストでしょうから・・・。
実際、今回のようないいサカナを釣って、川に戻すとき、畏敬の念とともに「このサカナはこの秋産卵に参加するだろう。するとこの攻撃的なDNAを持ったサカナが増えるということだな」などと小賢しく計算をする自分がいます。まこと、自然にとって人間はエゴイスティックな生き物であるのだと痛感します。
自然からの「恵み」は、それが自然からいただけるのであるならその一部をごく控えめに享受するのは一向に構わないと思います。永く日本はそういう文化でやってきましたから。しかし、自然からの「略奪」は、絶対にやってはならないと考えます。自然の中で遊ぶためのもっとも大切な基本で、これが理解できないヤツは自然の中で遊ぶな、とでも言いたいぐらいで(笑
いいヤマメでございましょ。有難うございます^^
ホント、最初に手にしたときの印象は、小さなカラフトマス。
背中の盛り上がりは、写真に写るよりもっとすごい迫力でした。
金曜日、ぜひよい釣りを!

107 06-09-26 (火) 22:58

△ マロニエのこみち・・・。さん
有難うございます。たまにはいいサカナを釣らせてもらわないとね!
ボクは幼少の頃から硬派だったので、そんな池には近づきもしておりませんですよ(笑
そうですか・・・よくボートをね・・・
でも、漕いでおられたのはホントにマロニエさんですかね?(笑

sekisindho 06-09-26 (火) 23:12

107さん、こんばんは。
最後になって凄いヤマメですね。
今までの写真と比較するまでもなく、門外漢の私でもよく判ります。
ところで、魚の写真を拡大してみて気がついたのですけど、魚のしたに手が、チョット吃驚しましたが107さんの手ですよね。
存在感のある立派な手をしてますね(笑)
更新ping登録しておきました。
ついでに8個ほど他の更新ping登録しましたから完璧でしょう!

107 06-09-26 (火) 23:53

△ sekisindho さん
こんばんは〜。最後になって、ようやく、マシなのが釣れました(笑
久しぶりに、増水に四苦八苦する釣りじゃなく、普通に釣りを楽しむこともできて大満足です。
手? ボクのですが、そんなに存在感ありますかね!?
小さくはないですが、軟弱な手ですよ。
ping、お世話かけました。有難うございます。

teardrop 06-09-27 (水) 12:22

あっ、晴れてる!(笑
鳥取までお出かけされていたのですね。
画像の川、綺麗ですね。空気がとってもおいしそう♪
兵庫にある、母の実家がこんな感じの田舎町です(;^_^A
子供の頃、毎年川遊びしていたのを思い出しました。
川の水は冷たいですよね。アキレス腱もビックリして
しまったのでしょうか。
ヤマメ、立派ですね!最後の釣りも、お天気とお魚に
恵まれるといいですね☆

kitasan 06-09-27 (水) 13:57

凄い!
体高にびっくりします
我が家にめだかが泳いでいます
内の2ひきが物凄い体高なのです
奇形なのです
が とても元気で今年も何百と卵を生みました
面倒をみたのが2.30卵ぐらいでしたが
奇形は出ませんでした
ふと思い出しました

kitasan 06-09-27 (水) 14:05

浅そうに見えますが腰まであるんですか
フライ向きに見える流れですね
両岸ボサの川は歩いていると深みに落ちたり
岩につまずいたり、すべったりと疲れますね
その分釣れるというこでしょうが。。。。
次の釣りを待ってます
祈 好釣

7wth2 06-09-27 (水) 14:25

こんにちは。
BLOGに入った時、今日は渓の写真の展示かと思いました。
冒頭、素晴らしい写真です。
読み始めましたら、結末が予測されました。そのとうりになりました。
迫力のある描写に釣られてしまいました。
この魚の写真での描写も素晴らしいですね。自然が造った芸術品です。
>釣欲の留まるところを知らない釣師・・・誠に見苦しいものである。
そんなことはありません。足の腱は大事になさってください。
おめでとうございました。

107 06-09-27 (水) 16:34

△ teardrop さん
そりゃあ、たまには晴れてもらわないと(笑
秋晴れの一日、空気も水も、とっても気持ちようございました。
最後の釣りは、いつもの「必殺最強雨男」と一緒の釣りなので、さあてどうなりますことやら。天気予報では、北陸は一時雨と出ております(笑
有難うございます。
△ kitasan さん
そんな、このヤマメから奇形のメダカを思い出さないでくださいな(笑
そうです、おっしゃる通りの両岸ボサの典型的な川で・・・溯行に気を遣いました。
こういう渓では岸際から出てくるものと思いきや、ド流芯から飛び出してきたのでそれにもびっくりです。
次は明日なんです(笑
のんびりとやってきます。有難うございます。
△ 7wth2 さん
ええ、7wth2 さんの向こうを張って・・・(ウソです・笑
まあ、たまにはド〜ンと写真もいいかな、と・・・
あんまり腕がよくないもので大きく見せられる写真がないのですが、今回は自然の美に助けられて少しは見られるものがありましたので、大きく載せてみました。
お気遣い、有難うございます。

JIMO 06-09-27 (水) 22:40

こんにちは。良いヤマメですね〜。私・・ここ数年こんな魚にお会いしていません。(笑)
こいつもこれから繁殖に入るんでしょうから、なんとかあと数日、生きながらえて欲しいものです。

107 06-09-27 (水) 23:55

△ JIMO さん
有難うございます〜。たまにはこんなおサカナも釣らせてもらわないと、毎回毎回増水の釣りばかりではやってられないです(笑
このヤマメくんには、「今年はもう釣られるなよ」とキツ〜く説教してから流れに戻したので、多分大丈夫です。来年は彼の子どもたちがたくさん流れに泳ぎだすことだろうと思います。

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