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金魚もどき

恥ずかしながら、金魚を飼っている。
いや、厳密に言うと金魚ではなく、色付きの「金魚もどき」を飼っている。
昨年の夏祭りで上の娘が金魚すくいで掬ってきたもので、最初は赤いのと黒いのと2匹いた。以前は大きな水槽を持っていたのだけど、引っ越しのときに処分してしまって入れるものがなにもなかったので、ポリバケツに少し水を張ってそこでしばらく飼うことにした。黒い方のは早々に死んでしまったのだけど、赤い方は生き延びて、バケツの中の生活にも適応したようである。エサはご飯つぶ。嫁が2〜3日おきに「よう食べるなぁ〜」などと独り言を言いながらやっていた。娘は面倒を見るといっても何も分からず、おまけにすぐに興味を失ってしまったようで、結局は嫁一人で月に一回程度の水換えをしながらお世話をしていた。

バケツは玄関の脇にずっと置いてあり、陽も当たらないので水が腐りにくいのはいいのだけど、日に日に金魚の色が薄くなっていく。たまに見ると驚くほど白くなっているので、「白いなぁ〜。アルビノみたい」と笑うと、嫁が「これはホントに金魚なのか」と訊く。ご存知の方ならすぐにお分かりいただけると思うけど、これは厳密には金魚ではない。フナである。そこらの川にいる普通のフナを、ちょちょいと品種改良してヒレを長くし、色素の発色をよくしただけの、いわば「インスタント金魚もどき」とでもいうようなものだ。ちゃんとしたいわゆる「金魚」の場合は水質などに結構敏感なのだけど、こいつは元がフナだからか少々の悪い環境にもへっちゃらなようで、だから夜店の金魚すくいなどのにぎやかしにたくさん入れられている。
ところがそれから一年近くも経ったこの春になって、ついに水槽を買うハメになった。春から上の娘用に始めた通信の知育プログラム(有名な「しまじろう」のね)の中のひとつの企画に「金魚のお世話」というのがあり、そこで「金魚が居心地いい環境」だの「金魚の好きなエサ」だのとして、小砂利を敷き詰めた水槽に専用の金魚のエサがいい、などと書かれているのを、娘がボクのところへ持ってきて見せて言うのだ。「ウチの金魚、可哀想!お母さん、ご飯つぶなんかあげてるし!ここに、ほら、好物はご飯つぶ、なんて書いてない。バケツで飼うなんてどこにも書いてない。ひどい!」
半泣きのエラい剣幕に負け、仕方がないので買った水槽が、この写真のものである。
060919kingyo.jpg
大きさは17cm立方あるから、金魚の一匹飼いとしては充分だろう。とにかく売ってる中で、そこそこの見映えで一番安いものを選んだ。石は、娘が小さな頃から趣味であちこちから拾い集めてきた丸石。買ってきた小砂利と一緒によく洗い、水を張ってカルキ抜きをして、金魚を入れてやった。もちろん、ちゃんとした金魚用のエサも買ってきてある。娘はさっそくエサをやって、金魚がバクバク食べるのを見てご満悦である。「もうご飯つぶなんか、食べなくていいからね。お母さん、ご飯つぶ、あげたらあかんしな!」
しかしボクは知っている。この「金魚もどき」が、実はご飯つぶを欲しがっているのを。
一年近くもご飯つぶだけで倍ほども大きく育ってきたヤツだ。いまさらあんなスカスカのスカタンみたいな金魚用のエサなんかで満足できるワケがない。それにもまして、こいつは元はフナなのである。川のフナを釣るのだって昔はご飯つぶを使ったもんだ。フナのDNAを色濃く持つこいつがご飯つぶを嫌いな筈がないのである。その証拠に、娘がいない昼間にご飯つぶを放り込んでみたら、それはもう、すごい勢いで食う、食う、食う。サカナには表情がない筈なのに、「待ちかねたぜぃ」とこっちを見て笑っているかのようにすら見える。
だから今日もボクは、独りでうしししししし・・・と笑いながら、娘のいない昼間にこの金魚もどきにご飯つぶをやっている。
娘よ、こいつがこんなにもコンディションよく過ごしているのは、お父さんの陰の努力があるせいなのだよ、と。


Comments:22

JIMO 06-09-19 (火) 19:30

うちの実家にもこんな金魚がウヨウヨいます。
以前、そのウヨウヨの中に一匹だけまともな琉金がいたのですが、
ある日、そいつの子がいっぱい生まれたんです。
それがまた形が妙で、しかも色はピンクでちょ〜気持ち悪いんですよ!!
薄ピンクのシイラみたいで・・・。

teardrop 06-09-19 (火) 21:06

こんばんは♪
金魚、うちにもいますよ。
うちの金魚は流金ですが、流金は弱いですね。
始め、エアポンプ無しで飼ってたのですが、やっぱり死んでしまいました(T_T) そして、こりずにまた買ってもらいました(汗
うちは、ポンプ無しでグッピーを飼ってますが、こちらはとっても強いです。水換えサボって、久しぶりに見たら、たくさん子供が生まれてました。
でも、飼うなら丈夫なのが一番良いですね。
40年ちょっと生きてると言う、金魚のニュースを以前見ましたが、そちらも和金ぽかったですよ。107さんちの子も、長生きしそうですね(笑

ひぐちあきお 06-09-19 (火) 21:53

我が家は庭の池に10匹ぐらい入れておいたら繁殖して、5年以上経った今は50匹近くに増えてます。池といっても浄化槽から排出される水が流れ込むだけのもの。だから臭いし、汚い。食べかすやウン●などで、きっと栄養満点なんでしょう。
ろくに餌もやらないのにどんどん大きくなって、ご先祖様のフナの体長を超してしまった豪傑もおります。しかもありがたいことに、彼らのおかげでこの池にボウフラがわかない。というか、わいても食べられてしまう。
ということは、フライフィッシングができるやんけ。
てなわけで始まったのが子供たちとの庭釣りであります。
ミッジの毛鉤を提灯釣りで垂らすと、ヘッド&テールもどきの華麗なライズを見せてくれたりします。とはいっても、水面に大量に発生した、ボートをこぐような泳ぎ方をするマツモムシが、毛鉤が水面に落ちるや否やわっとたかってくるのが玉に瑕(笑)。

オードリー 06-09-19 (火) 22:14

やっぱりあれはフナですか?家のばあちゃん(私の母)も金魚を一匹かっています。この話と同じように金魚すくいでやって来たものだそうです。かれこれ10年ぐらい生きており、大きさは男の人の手のひらサイズぐらいはあります。たまにバター焼きにすると見栄えが良さそうだな….と、思いながら眺めています。

107 06-09-19 (火) 22:14

△ JIMO さん
これ、最初は赤いのにどんどん色が薄くなって、なんとも表現のしようのない薄ピンク色になりますよね。これの小さいのが大量にいたら、それはさぞかし気持ち悪いことで・・・(笑
薄ピンクのシイラ(笑
形も似てますね
△ teardrop さん
こんばんは〜
流金とか、やっぱ弱いですよね。
ウチのは、和金タイプでももっとも原始的なものかな・・・
って、それほぼフナですよね(笑
40年もいられるとイヤだなぁ〜
その頃にはもうボク、生きてないし(笑
△ ひぐちあきおさん
それ、めちゃくちゃ面白いです〜!
ご先祖の体長を超したというと、かなりの大物ですね。
よく引きそう〜〜
ボウフラも全部食べられて、マツモムシも飢えてますか(笑
フライのサイズを少し上げる必要がありそうですね〜〜
ところでひぐちさん、近畿周辺にお住いになったことが?
お話の流れに、ふと関西風の匂いを感じましたので・・・(笑

107 06-09-19 (火) 22:36

△ オードリーさん
有難うございます。
そこまでデカくなるというと、やっぱフナでしょうね〜(笑
10年も生きとりますか・・・長生きするんだ・・・
バター焼きは、さあ、どうでしょ!?
少し、勇気が要りますね(笑

nob 06-09-20 (水) 0:33

短編小説を読むようで、楽しかったです。^^
しまじろう・・・は、ある時期の子供に多大な影響を及ぼしますよねえ・・・。私もあの、パペットを使って、トイレトレーニングなどしたものです(笑)
なんだか懐かしい〜な〜。
昨日から子供に小言が多くて、勿論言わなければならないことなんだけど、自分の余裕の無さを恥じて?本当にひさ〜〜しぶりに朝からフテ寝してしまいました。起きたらスッキリ(笑)
疲れてたのかな〜。
さて、シャワー浴びて、お昼食べて(勿論食べる!)おやつでも張り切って作ります♪
毎日、決まったブログに来るのは、良い息抜きになります。
みんな日常も楽しんでいるんですもの〜。
私だってそうだけど、時に見失ってしまうから^^

107 06-09-20 (水) 0:59

△ nob さん
有難うございます^^
しまじろう、流行ってますね〜。ベネッセのやり方も上手いと思います。
子どもは、日々の接し方がとても難しいですね。
自分ではない別の人格を持った一人の人間なんで、難しいのは当たり前と言っちゃ当たり前なんですが、でも改めてそれを痛感させられる毎日です。あるいは日常生活についても、ブログに書いているような楽しいことばかりではない、というのが本当のところですね・・・でもこうして見に来ていただいて楽しんでいただけるというのは、とてもうれしいことです。
すっきりお目覚めで、おやつ作りですか。
nobさんのお作りになるのは美味しそうですね〜
またブログで拝見させていただけるかな。
楽しみにしてますよ〜^^

sekisindho 06-09-20 (水) 1:10

107さん、こんばんは。
ちょうどノブさんもご訪問でしたか。
私はその「しまじろう」なるものを知らないのですよ(汗)
ところで、この記事読んでいて、金魚のお話も面白いのですが、
ハードボイルド107さんの意外なと云うか、やはりそうだよな〜と云う側面が感じられて面白かったですよ。
この娘に対する優しさ、弱さ、もうベロベロに文面に滲み出てますよ。
でも良いことですよ。
こんな側面が、普段の怒れる記事にも深みを与えているのかも知れませんね。

107 06-09-20 (水) 1:46

△ sekisindho さん
こんばんは〜
しまじろうはですね・・・阪神タイガースのマスコット、トラッキー(これはご存知?)の双子の兄弟でして・・・(笑
それはそうと、「普段の怒れる記事」には少しクレームですよ ヽ(`Д´)ノ
いつも怒っているワケではありません・・・平和におサカナ釣りして、家族を慈しんでる記事のなんと多いことか♪
それにハードボイルドって・・・
・・・お見通しですね。もう、参りました〜(笑

Solo 06-09-20 (水) 7:52

こんにちは、107さんの文章は読んでいてたのしいです。
金魚ですか、自分も昔飼ってましたが直ぐ死んでしまうので今は生き物は飼わないようにしています。
しまじろう、うちにも毎月勧誘のお試しセットがきています、うちはこれで十分ですが(笑)

ひぐちあきお 06-09-20 (水) 8:25

>ところでひぐちさん、近畿周辺にお住いになったことが?
>お話の流れに、ふと関西風の匂いを感じましたので・・・(笑
いやぁ、関西にはとんと縁がないんですが(ちょっと親戚がいるぐらい)、漫画やアニメの〈じゃりン子チエ〉のファンだったからかなあ(笑)。もっとも生まれが山口県なので、多少は関西系かもしれませんね。いまもって納豆食べられへんし(笑)。

107 06-09-20 (水) 9:59

△ Solo さん
有難うございます。
台風は大丈夫だったようで、まずはひと安心ですね。
しまじろうはうるさいぐらいに案内送ってきますよね。
アレにやられてしまいました(笑
△ ひぐちあきおさん
違いましたか・・・。山口のご出身ということは存じておりましたが、もっと畿内よりかあるいは畿内におられたことがあるか、それとも身近に関西出身の方がおられるのかなと、勘違いしておりました。
じゃあ、じゃりん子チエかな(笑
山口の人ともお話ししたことありますが、そういえば関西風のノリがあるといえばありますね。
納豆には大賛成です(笑
見た目も匂いも、受け付けませんです。

マロニエのこみち・・・。 06-09-20 (水) 10:28

珍しい魚ですね〜
初めて拝見しました(笑
うちも45センチの水槽に、一匹だけテトラが残っています
魚の飼育を始めて約10年になり、グッピー、コリドラス、エビ諸々、
全盛期はかなりの量がいたんですが、自然に減るのを待っている状態で・・・
こののこり一匹になって、もう一年以上になります
すぐにいなくなるだろうと思っていたら、案外長生きして驚いています
水替えもしなくても、ものすごく元気
でもこの冬は越せるかな〜
これがなくなれば、スペースが少し広くなるので、いなくなるのを待っている気持ち半分
馴染んでいたモーターの音などがなくなるのかと思ったらちょっと寂しいような気持ち半分
少しだけ複雑です(笑

107 06-09-20 (水) 11:06

△ マロニエのこみち・・・。さん
・・・あ、マロニエこまち、さん(笑
これ、色が、ねぇ・・・もっと赤いとまだ見れるんですが・・・困ったもんです。
可愛げがまったくなくなってしまったし、新しく可愛げのある金魚を買ってきて入れようにも、こいつに苛められることは目に見えてますからそれも叶わず・・・いなくなるのを待っている気持ち半分、同じくです。(笑
45センチ水槽にテトラ一匹飼いとは、また贅沢な(笑
今までも京都の寒い冬越してきたのだから、今年も大丈夫なのでは・・・
熱帯魚も昔買ってたことあるんですが、テトラが意外に大きくなったので驚きました(普通のネオンテトラ)。んで、大きくなるにつれてやっぱりネオンがどんどん薄くなる(笑

konatsu 06-09-21 (木) 8:55

ええっ(’0’)金魚もどきですか!
知らなかったです
お祭りの金魚しか見たことないので、ひょっとしたら私はちゃんとした本物の金魚を見たことがないかもしれない…
ちょっとショックです(TOT)

バカボン 06-09-21 (木) 9:02

これを見て思いついてネタをかぶせました。すみません。
この手のフナや金魚、モザンビークテラピアが釣れるところが近くの川にありました。工場廃液で排水口から10mほどのエリアの水温が高く、冬を生きのびるのです。いまはもうどうなっているか。

107 06-09-21 (木) 9:57

△ konatsu さん
そ〜なんです。これの小さいときはちゃんと真っ赤な色をしていて、「金魚」と言われれば「そうかな」と思うようになってますが、ちょっと大きくなるとこんなになってしまいます。びっくりしますね(笑
でも、お祭りのにも、出目金とか一応ちゃんと入ってると思いますので、ちゃんとした本物の金魚をご覧になったことはあると思いますよ。大丈夫です^^
△ バカボンさん
今、見てきました。どうぞどうぞ。トラバっていただいても結構ですよ。
このタイプのフナや金魚もどき、水質の悪化にはとても強いですが・・・
願わくば、サカナたちのそんな方向への負の進化がないような環境を・・・ですね。

7wth2 06-09-21 (木) 17:08

こんにちは。
私が金魚と思っているのは金魚モドキのフナ。
フナも可哀想ですね。自分の生き方が出来ず、金魚の真似をさせられる・・・
金魚ももどきの一件、上手に纏められましたね。短い文章で。
今日は、お怒りの部分がなくて、淡々と。
父上は楽しみながら「独りでうしししししし・・・と笑いながら、娘のいない昼間にこの金魚もどきにご飯つぶをやっている。」の所、面白いですね。顔を存ぜぬ107さんですが、目に浮かびました。

107 06-09-21 (木) 17:22

△ 7wth2 さん
こんにちは〜
多分、世間一般ではこいつも「金魚」と呼んで間違いないと思います。色が赤ければ(笑
大きくなって色が抜けてしまうと、メッキが剥がれるみたいに素の顔が出てきてどこからどう見ても「フナ」になってしまい、そこでようやくこの金魚「もどき」の本質が見えてくる、という・・・。
しばらく付き合ってみないとホントの顔が見えてこないのは、金魚の世界も人間の世界も同じのようでございますね(笑
有難うございます。

nooboo 06-09-22 (金) 21:58

107さん
ありがとうございました。
私も「トチ」のことあれからいろいろ調べたんですが、
煮たあと、流れのある川で二日間灰汁抜き・・・・など書いてあったり・・・・(これは107さんに釣りのついでに頼まねば・・・笑)ともかく大変みたいです。個人でちょっと楽しむものではなさそうですね。^^
教えていただいたサイトに「もちもちの木」のことが出ていて・・・
私が小学生の時に教科書に出ていたのを思いだして、すごく嬉しくなりました。なんだか美味しそうに思った記憶が・・・
一つの物でこんなにいろいろ関連があるんだな〜って思っています。
それで、「トチ」のことマロニエって呼ぶんですって。
こちらや、sekisindhoさんのところでマロニエさんいらっしゃいますよね。ときどき私もブログを拝見しているんですが、言葉つかいも素敵で、お洋服のリフォームなども素敵。。ちょっと気後れしてコメント出来ずにいたのですが、今度コメント書きにいってみようと思います。^^
一つのトチの実から、いろんなことがわかって、
ブログの楽しさだな〜って思いました。
書くってことがなければ、そこまで調べずに終わっていたかもしれませんものね。。長々すみません。

107 06-09-22 (金) 22:26

△ nooboo さん
トチの実のアク抜きはとても大変そうですね。ボクもいろいろ調べてみましたら、やっぱりWikipedia にとても面白い記事がありましたのでご紹介します(すでにご覧になってるかと思いますが・・・)。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%81%E3%83%8E%E3%82%AD
日本産、ヨーロッパ産(これがマロニエ)、北米産といろいろ種類があるようですね。
ご近所さんでお付き合いいただいてるマロニエのこみちさんは、と〜っても素敵な方です。ボクも、いつもトゲでチクチクつついてもらって遊んでいただいております(笑
マロニエさんところでコメント拝見するの、楽しみにしてますよ。
こうして色んな繋がりができるのがブログの一番面白いところですね^^
わざわざ有難うございます。
週末、お楽しみくださいね。

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