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寺社の写真

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この写真は京都市東山区の豊国神社。夏のある日、釣りに行くのに待ち合わせの時間待ちでこの近くをウロウロしていたので、ヒマつぶしに朝日が昇るのを写真に撮ってみたものだ。ここは豊臣秀吉を祀った神社で、神号は「豊国大明神」という有難い名前。大河ドラマで秀吉が死ぬ回には、ここの説明と案内が出るに違いない。

ボクが以前にデザイン事務所に勤めていたときには、仕事の99%が地元の着物関係のパンフレットだのリーフレットだの宣伝ツールの製作だったから、「京都」「和」の要素として、東寺五重塔だの金閣寺だの清水寺の舞台だのという写真をイメージ的にあしらって使用したものをよく作っていた。デザイン屋が使う用にと、写真のストック屋(いわゆるレンタルポジ屋)にもそのテの写真がたくさんあり、何かといえばそういう写真を使ってパンフレットやチラシをレイアウトしたものである。
ところが、最近はそういう神社仏閣の写真について随分と事情が変わってきたのだよ、と、いつも写真関係の事情をいろいろ教えていただいている写真家の方から伺った。ここ数年はそういう着物関係の仕事はぜんぜんしていないので知らなかったのだけど、何でも、拝観料を徴収してるような寺だの何だのの建造物が写り込んだ風景などの写真を商用販促物のイメージ写真などに使うと、その神社なり仏閣なりから「使用料」を請求されるのだそうだ。裁判で争っている例もあるようだけど、どうも使った方の旗色が悪いらしい、という話でもある。
なんだかねぇ・・・・・・。
そりゃあ、建物だの何だのをずっとお世話してきて、それに莫大な経費がかかるのは分かるよ。
でもね〜。そういうものは、京都市民、広くは日本国民の共有財産ではないのかなぁ。
そもそも、そういう寺社の開祖が自費で建立したものはほとんどないのではないか。たいてい、天皇だの法王だの貴族だのという支配階級の発願や鎮魂あるいは鎮守のために、彼らの財で以て建てられたものだろう。
そういう人々の末裔というのは言うまでもなく大多数の日本国民であって、裁判所みたいな「現在」しか見ないところにとってその建築物の所有は法的にはそうではないのかもしれないけれど、でも歴史的に見て本来の出資者は誰かというと、やっぱり日本国民なのではないのかな、と思うのだ。
もちろんそれらを管理・運営する仏教や神道の各宗派が、長年、莫大な費用を投じて維持に努力してきたのを否定するつもりはない。けど、国民の共有財産であるそういった遺構を維持管理するために、莫大な利益を生み出している筈の「拝観料」にも非課税として黙認しているワケで、さらには宗教法人には非課税として優遇もしているワケだ(これにはいろんな問題を含んでいるけれど)。
こういうのは非常にデリケートな問題だから、無料でバンバン公開せよと言っているのではない。ただ、せめて、一般の往来のある公道から見える範囲の風景写真くらいには、商用であろうとなかろうと、ケツの穴の小さいこと言って目くじらたてて厚かましく口出し、一方的にそういう写真の使用権まで私しようとしなさんな、と言っているのだ。京都に来る観光客向けの旅行パンフレットだって、着物のチラシにしたって、直接そことは関係ない商財であるかもしれないけれど、間接的には、そういう外観とか風景とかのいいイメージの写真見た人は「行ってみたい」と思うワケだ。そして、そうやって来たお客はちゃんと「拝観料」払って中に入ってくれるんだよ。
仮にも宗教者と名乗るなら、も少し無欲で、謙虚に、感謝の念を持ってはどうかね。
と。
ふと思った次第。


Comments:21

マロニエのこみち・・・。 06-09-03 (日) 1:37

『間接的には、そういう外観とか風景とかのいいイメージの写真見た人は
「行ってみたい」と思うワケだ。』
ここ、おっしゃるとおりだと思います
こういうところ、まるで、お役所のようですね〜
とにかく、京都の拝観料は、ちょっと高すぎだと思います
その点、奈良は良心的で、おおらかですね
私など、タダで見られるぎりぎりのところまでしか、行かないことも多いですよ(笑

でびっこ 06-09-03 (日) 5:08

そんな事情があったなんて・・。
京都という街並みはとても好きで、時々広島へ帰省する際に立ち寄っては、
マイナーなお寺でぼーっとしたり、
まっすぐに伸びた人家のとおりを歩いたり。
疲れたら循環バスで2周3周くらいして、昼寝したり。
そういうのが好きなのですが、
なんでそういう観光の仕方をしてるかというと、
やはり有名どころの拝観料は高いと思うのですよね。
それだけでなく、これでもかといわんばかりに賽銭箱がいたる場所に置いてあって、
なんだかえげつないなぁ・・・と。
せっかくの美しいものを美しいと思う心が邪魔されてしまう。
マロニエのこみちさんじゃないですが、今月は奈良に出没予定です。

プリュム 06-09-03 (日) 7:17

うーん、拝観料ですねぇ
これで黒字の寺院仏閣も一部あるんですが
ハイヒールで穴開けられる始末↑ですしー
こんど行く英国では一部の博物館美術館公園などは
無料!のところがあります
どうやって維持管理しているのかは分りませんが
寄付に頼っているということもあるそうです
日本には過去あっただろう
金持ちの寄付行為が現在ほとんど無くなってしまったのには
とても残念です
相続税払う代わりに過去の遺産を管理していけれるような
システムを戦後は想定していなかったということが原因でしょう
タダ単に富の分散という恣意が文明破壊的行為に繋がってしまったのです
おかげさまで国民総中流化と相成りましたが
美しい町並み文化は飛び散ってなくなりつつあるのです

107 06-09-03 (日) 10:50

△ マロニエのこみち・・・。さん
高いですね〜
個人的には、暴利をむさぼっている、という印象を持ってます。だからなおさら、こういう問題がでてきたときに「まだ何を厚かましいこと言うとんねん」と思ってしまうのです。以前に「古都税」のことでややこしいことありましたし、総じて印象は良くないですね〜
元々、そういう有名寺院に高い拝観料払って行く気しないですが、ますます行く気しなくなります。
奈良はいいですね。東大寺や興福寺なんか、天平〜平安、鎌倉期に至るまでの昔には傍若無人の振る舞いだったというのが信じられないくらい(笑

107 06-09-03 (日) 10:58

△ でびっこさん
マイナーどころで、いいところはたくさんありますね。
反対に、有名どころの寺院には「おまえそれでも仏教者か」と言いたくなるような、商魂逞しい生臭坊主がいます。たとえば臨済の某名刹塔頭の坊主。アイドルと一緒に移った写真をポスターにして売ってたりしますから、ここまでやると大笑いです。こいつらが税金払ってないと思うとむしゃくしゃするくらい、気分の悪いやつらです、ハイ。
風が涼しくなってきました。奈良の若草山あたり、気持ちいいでしょうね。
明日香村にも好きでよく行きますよ〜

107 06-09-03 (日) 11:09

△ プリュムさん
根本は「文化財は国民共有の財産」という意識があるかないか、でしょうね。
今の日本の金持ちはただの成金ですから、社会貢献などは望むべくもない品性下劣な輩ばかり。社会の意識がそんな風になってしまったのでしょうか。残念なことです。
英国、いいですね。
ボクはスコットランドに住みたい(笑

sekisindho 06-09-03 (日) 15:20

107さん、こんにちは。
またまた、107さんの怒りの鉄槌が振り下ろされましたね。
いつもごもっともと納得できることで、読んでるだけで「そうだ、そうだ」と一緒に騒ぎたくなりますよ(笑)
百貨店にいる知人に聞いたことですが、外商部の安定した一番の顧客は、お医者さんとお坊さんだそうです。
宗教絡みのことは微妙な問題があり短絡的には云えないのですが、
上座部仏教(小乗仏教)はそれなりに納得できるものの、日本の大乗仏教的な現世利益、念仏唱えていれば救われる的な変遷は、人間の身勝手さや、欲望、気楽さがどんどん優先されてきた勝手な理屈のように感じていて、あまり信用していません。
現世のご利益が最優先になってしまっているのでしょうね。
なんてこと書くとツッコミ入れられそうなのでこのへんで(汗)

7wth2 06-09-03 (日) 18:05

こんにちは。
以前、京都のお寺に行政が税金を取る、そんな行為にお寺が反発して長い間収まらなかった記憶があります。
鎌倉に写真でお寺に行きますと、大きなお寺は必ずお金を取りますが、中小のお寺は無料であることに出くわします。
大きなお寺は墓地も広く檀家も多く、収入もあるはず。なのに拝観料を取る。小さいお寺は取らない。
大きなお寺は取らなくてもやっていけるのに、取っていると映ります。
京都のお話と重ねてみますと、107さんの主張に賛成したくなります。拝観料やその他の優遇処置で満足しないお寺。物欲があらわに出ているフウに見えます。
しかし、お寺の話。京都の税金問題以来、議論されたこと有りませんね。

107 06-09-03 (日) 18:15

△ sekisindho さん
いやはや、最近怒ってばかりいるような気がしてお恥ずかしい。
しかし、ボクら小市民にとって腹の立つことが多い、ぎすぎすしたイヤ〜な社会になってしまっているような気がします。
お医者さんに坊さんと。まあお医者さんは分かりますけど、本来現世の物欲とは無縁である筈の坊さんがね・・・。
> 大乗仏教
そうだ、そうだ!(笑
あんまり詳しくないんですが、今の日本の仏教はむしろ小乗なのではと思ってしまいます。大乗大悟の教えとは、自分一人ではなく衆生の救いとなるべきものの筈。であるなら、蓄えた富を還元するのはもちろん、文化財も基本的に無料開放であるべきだと思います。それに仏教各宗派の教義の、他力本願のすさまじいこと。
まあ、ボクみたいなのがこんなところでいくら騒ごうが屁のつっぱりにもならんのですけどね・・・(笑

107 06-09-03 (日) 18:24

△ 7wth2 さん
有難うございます。
おっしゃってるのは「古都税」問題のことですね。
莫大な利益をあげている「拝観料」に課税する、させない、で大モメにモメました。結局うやむやになって立ち消えになって以来、寺は半ば「治外法権」のような意識になってやりたい放題のように見えます。写真にまで文句をつけてくるその厚かましさ、強欲さには、まったく呆れかえるばかりです。
鎌倉でもご同様ですか。そういえば同じ臨済の鎌倉五山がありますね。
なるほど(笑

teardrop 06-09-04 (月) 17:01

こんにちは*^O^*
107さん、着物関係のお仕事をされてたのですか!
そちらに、まずビックリしてしまいました。それなら、目が肥えてられるのでしょうね。。
今後、着物を着るのに緊張しそうです。
お手柔らかにお願いしますM(_ _)M (笑)
実は、神社仏閣&庭園巡りが大好きです。
京都は、4年ほど前から年一回ペースでお邪魔してます。
拝観料、バカになりません。大きなお寺など、お庭の手入れも行き届いてるし、建物や絵を維持するのも大変なのかな・・?と、思うようにしています^_^; 
仁和寺とか竜安寺とか・・・、お金を払ってでも見たいって思ってしまうし。。
でも、京都はその辺にある小さい神社でも、風格がありますね。
下御霊神社とか、千本釈迦堂とか、釘抜地蔵とか・・感動しました☆

107 06-09-04 (月) 18:01

△ teardrop さん
こんにちは、有難うございます〜
いえいえ、着物を扱う商社とか販売店の宣伝用印刷物を作っていただけですので、着物のことについて良し悪しとかは何一つ分からず、見る目もありません(笑
ですので、どうぞお気軽に。
京都観光、お楽しみなのですね。
そう・・・お金払ってでも見たい、と言われるだけの文化財を持っている寺は強気です。でも・・・驕れるものは久しからず、とも思ってます。
小さな神社・寺の方が、のんびりしてて居心地いいですね^^

Solo 06-09-04 (月) 19:47

こんにちは。
いつも思うのですが107さんのブログに書き込む方々は皆さん知識が豊富でらっしゃいますね、尊敬してしまいます。
歴史的建造物やその背景にあることは比較的歴史の浅い北海道に住む自分には知識も価値観もあまり理解できませんが、そういう建造物にかかる肖像権って振りかざされるとやたら反感を持ってしまいます。

みやび 06-09-04 (月) 20:49

宗教家さんにとって、お寺は観光資源なんでしょうかねぇ。
107さんのエントリーや皆さんのコメントを読んで、そもそも何かと優遇されている筈のお寺さんが、維持管理に金が掛かるとは言え、拝観料なんてものを徴収して商いをしている事が奇妙な事に思えてきました。

107 06-09-04 (月) 21:23

△ Solo さん
こんにちは。
ホントそうです、みなさん知識と経験が豊富で、しかも善意の方々(Soloさんも含めて、ですよ)。
みなさんに支えられて、こんな千鳥足ですがブログなんてものを続けていられます。
「肖像権」だの「使用料」だのって、出家した修行の身である人の言うことじゃないですよね。普通そういうもの請求したら請求分に対して課税されます。ちゃんと納税してから言いたいことあるんだったら聞いてやろう、そうじゃないのなら寝言言ってないでもっぺん托鉢から出直してこい!と言いたくなります(ちなみに京都では、今でも普通に街なかを托鉢僧が歩き回ってます)。
△ みやびさん
そのものですね。
まあ拝観料に関してはいろいろとデリケートな問題があり、議論し始めると国宝だの重要文化財だの管理所有の位置づけから、文化庁の監視体制、宗教法人の法体系にまで話が及ぶことになるでしょうから、ややこしいことになります。
といって放置するから、言いたい放題やりたい放題なんでしょうけど。
単純に考えて、何だかおかしいことではありますよね。
彼らのやってることで、「宗教活動」なんてものではなくて純粋に「ビジネス」であるものも歴然と存在しますから、そういうのを放置しておくのは不思議でなりません。

なつ 06-09-05 (火) 18:41

はじめまして。
107さんのご意見に賛同しています。
お坊さんの中にも宗教心が足りない方がおられるのは残念なことです。私は京都が好きですが、拝観料の高いお寺は二回目からは門の外から拝むことにしています。
嬉しいことに、私の住む大阪では 一番大きな四天王寺が、お盆の期間や春秋のお彼岸などお祭には無料開放なのです。これが本当のあり方と思います。
「すずむし」の声を楽しみながらコメントを書いています。
有難うございました。

107 06-09-05 (火) 20:55

△ なつさん
はじめまして、お越し有難うございます。^ ^
宗教者は宗教者本来のあるべき姿に戻って欲しいですね。
金の亡者になるのではなく。世界中のすべての宗教に。
四天王寺。さすがは聖徳太子のお寺(笑
求める人々が求める時に、無条件で門戸が開放される・・・
本当に、それが本来のあり方ですよね。
音をお楽しみいただけて、うれしい限りです。
有難うございます。

nooboo 06-09-05 (火) 22:53

全ての宗教は基本的には「良く生きる」がキホンなんだと思っています。(最近は荒々しいのもありますけれど)
そして、神、仏は寛容なものだと・・・・
おっしゃるとうり、もう少し柔軟でいいと思いますよね。

107 06-09-06 (水) 0:15

△ nooboo さん
「よく生きる」
まったくそうです。
何のために生まれてきて、何のために死んでいくのか、を、なんにも知らずにそれでも生きていかなければならない哀れなボクら人類。その生きるよすがとなるもののひとつが宗教であるなら、まさしく、「よく生きる」ためのものであって欲しいと切に願います。
近頃は宗教の存在意義の方が重視されることが目立つように思えて、残念でなりませんね。

バカボン 06-09-06 (水) 11:18

拝観料も、葬式さえしない貧乏寺で育った身としては、僧侶が建築物や仏像などの文化財の保守・管理をしてきたことに敬意を払う必要は一切ないと思います。彼らの仕事は物質は壊れ行くことを説くことであり、物質を守ることではないからです。
考えてもみてください。肝心の教えはどう守られてきたのか。若い人たちが悩みをもって寺門をくぐるでしょうか。ニーズはあるのに受け皿はなく金儲けだけがある。オーム事件の本当の加害者は既製仏教ではないか、とさえ考えてしまいます。

107 06-09-06 (水) 12:11

△ バカボンさん
さすが・・・「薄伽梵」さんだけあります^^
既成仏教だけでなく、既成宗教とも言えますか。
それらが金儲けばかり考えないで、本当に宗教によって人を救いたいというマトモなものであったなら、若い人たちやそれなりの社会的地位を持った人たちが、あんな子ども騙しのエセに騙されることはなかったでしょうに。オウムに限らず、今も勢力を持っているあらゆるカルトに対しても。

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