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リハビリ

いつも、シーズン最初の釣行は「リハビリ」となる。きれいな言い方だと「肩ならし」なのだろうが、ボクの場合は、主観としても客観としても、どう見ても「リハビリ」である。

ここ数年、秋の禁漁から冬の間、9月から3月までは釣りをしなくなってしまった。以前は、湖だ、管理釣場だ、解禁のミッジングだ、とやる気満々で寒かろうが雪が降ろうがサカナを釣りに走ったのだが、持病の膝関節炎に加えてギックリ腰の再発が頻繁になってきたのと、何より気力が衰えてきたからか、寒い季節にはとんと行かなくなってしまった。だからシーズン最初の釣行といっても、解禁2月とか3月ではなく、4月になって桜が咲いてからの出動になってしまうのだ。

桜の渓
街なかでは桜は満開だったが、渓沿いではまだ三分咲き、といったところ。桜が咲き始めると、急に釣りのムシがうずき出す。どうやらボクの脳内では、桜とサカナが聯想ゲームのように繋がっているようだ。

それで昨日、市内の近場の渓へリハビリに出かけることにした。昼前に自宅を出ても30分そこそこで行けて半日充分遊べる、この時季限定のお手頃な渓がある。5月になるとカワムツ天国と化すのだが、4月の後半まではアマゴの活性が高いので、リハビリには最適の場所なのである。

リハビリには、まず、前日の準備から大変だ。
竿はどれを使おう。このむき出しで置いてあるやつでいいか。
これ何番だ?4番。あ、そうだった。
リールはどこにしまってあったっけ。ここかな。あったあった。
フライ、フライ、あ、な〜〜〜い!巻かなければ!
リーダーは・・・っと。とりあえず今ついてるのでいいか。
ティペットは・・・・あるある。
フロータントは・・・・OKと。
あ、カメラも忘れずに。
ウェイダーとシューズは車に積みっぱなしだから大丈夫、ね。
よし、これだけあればとにかく釣りはできる。

アマゴ
#14パラダンに威勢良く飛びついてくれた、今年最初のアマゴちゃん。ぷりぷりと肥えて、それでいて締まるところは締まっているナイスバディ。この渓の下流部はいかにも「放流もの」というサカナが多いのだが、上流部に来ると去年からの居残りなのか、ヒレピンのグッドコンディションのが多くなる。

てな具合に、前日の深夜、子供たちが寝静まってから、ひさしぶりのおぼつかない手つきでフライを巻く。2〜3本巻いたら飽き飽きしてくるが、最初の釣行だとロストが多いのは目に見えている。せめて10本、と自らに言い聞かせて、毎度おなじみのパラダンとカディス。春先だから#14と#16で細身に仕上げて。このサイズで出ないサカナは釣れなくてもいい。

現場に着いてからも大変だ。冬の間に腹回りにだいぶ肉がついてしまって、シューズを履きヒモを結ぶのに前屈みになるのが苦しい。ふうふう言いながらようやく準備を終えて、いざ渓に降りる。と、斜面を降りるのに足元が滑る。シューズのフェルトが腐っていてつるつるなのだ。しかも、いつもならなんてことのない斜面なのに、足がよろける。慎重に、木を掴んで支えにしながらようやく渓に立つ。

いざ、溯行しようと水に足を入れる。沈み石と足の置き場のバランス感覚を完全に忘れている。しかも秋からおよそ半年以上も渓を歩かないのだから、当然足腰は弱っている。滑る。よろける。踏ん張りが効かない。思うように溯行できない。汗がにじんでくる。あ、汗拭きタオルを忘れた。次は忘れずにバッグに入れておこう。
とにかく対岸へ。
わ、ウェイダーの踵あたりから冷たい水が侵入してきた。あっという間に足元がぐちゅぐちゅの水浸しになる。そういえば去年の最後もそうだった。穴が開いていたのだ。直さなければと思ってそのままにしていたのを思い出した。
爪先も痛い。シューズが小さくなっている。オフの間に縮んだのか。フェルトはすぐ腐るし。これだから安物はいけない。今度はもうちょっといいものを買おう。

アマゴ
幼児虐待の見本である。体長15cm程度だが、立派な体躯をしている。恐いもの知らずで果敢に飛び出してきて、暴れまくってくれた元気者だ。これに懲りて今度からはエサをよ〜く見てから食べるのだよ。そして大きくなって、またボクに、ボクだけに釣られてくれたまえ。

とにもかくにも、ようやく竿を振れる体勢が整って釣りを始めることができる。シャツの袖で汗を拭い、痛む爪先をかばいながら、溯行しつつ竿を振る。
バシャッと、今年最初のアマゴちゃん。いいファイト。
やはりうれしい。ひと安心する。

やがて溯行するごとに、ガガンボとカゲロウの多量の羽化が始まってきた。アマゴの活性も高くなる。ここぞというポイントではきっちりフライを食ってくる。溯行の感じとプレゼンテーションのイメージも戻ってきつつある。

ちょっと余裕が出てきて、飛んでいるカゲロウを観察してみる。細いグレーで尻尾の長いやつ。これはいつも春に出てくるやつだな。焦げ茶でやや猫背のやつも出て来た。そういえば今日は蒸し暑い。気の早い奴だ。おっと、4枚羽根のカワゲラくんもご登場。草むらに足を突っ込むとこいつが一斉に飛び上がる。

来週あたり、この渓はベストタイミングかな。次は、もう少し準備をしてこよう。今日は往復で2キロほども歩いたろうか、足がパンパンになっている。明日から2〜3日は体が動かないか。しかしこれも数回釣行を重ねれば慣れてくる。釣りの感覚は次ではまだ完全復調とはいかないだろうが、それでも今日の後半はポイントの読みと流れの見切りの感覚が戻りつつあった。

次は、もう少しうまくいくだろう。

 
*ブログを始める以前、本体HPに書いていた散文です。2010年1月にブログに転載しました。

 
 


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